舞台:Cirque Inextremiste

2016年5月20日に、フランスのコンテンポラリー・サーカス&アクロバットのグループ、Cirque Inextremisteの香港公演を観ました。場所はKwai Tsing Theatre。今年のLe French Mayの演目のひとつでした。

開演前に、「出演者はプロフェッショナルな訓練の上にパフォーマンスをしています。観客のみなさんはマネをしないでください。」との注意があり、さらに、どうやら観客も巻き込みそうな予感が。

そして開演。いきなり私はハラハラさせられたのですが、それはちょっと予想外のハラハラで。

パフォーマーが車椅子に乗っていて、どうやら足が不自由である設定らしい。

パフォーマンスの道具として登場したのは、大きな板が数枚と、ガスボンベ型の台と、それから、尿瓶。

え?シビン?

車椅子の彼はシビンで用を足したい。だからシビンは彼にとって大切なもの。それを友達ふたりが取り上げて手の届かない所に置く。シビンの中に入っているものはバッチイから、決してこぼしてはいけないのです。

なんて毒のある設定なんでしょう。そういう意味のドキドキハラハラです。台に使ってるのはガスボンベだし。投げたら固くて重いし、火をつけたら爆発するし。

しかし車椅子の彼は素晴らしい身体能力の持ち主で、ガスボンベの上に板をのせたシーソーに乗って、てこの原理を大いに活かして反撃します。彼は、ほんとうに歩けないんだろうか。そう思うぐらい巧みな動きです。

Cirque Inextremiste
本当に「マネしないでね」なショーです。素人がやるとイジメです。こんな設定、日本では無理そう!?

でも舞台上の3人のやりとりからは、幼馴染か兄弟のような親密さが感じられて、決してイジメには見えません。

3人全員のチームワークで、絶妙なバランスの複雑なシーソーゲームが繰り広げられます。

Cirque Inextremiste
いい年した悪ガキ3人組は次々とアクロバティックに派手ないたずらを繰り返し、やはり観客も巻き込まれ、ノリのいい香港の子供たちが面白いアドリブを誘い、大いに盛り上がりました。

終演後、3人のパフォーマーと観客との間でQ&Aの時間がありました。車椅子の彼に、「本当に足が不自由なんですか?」という質問がでました。私もそれを聞きたかった。そうは見えなかったから。

答えは、yes。じゃなくてフランス語だから、oui(ウィ)。
彼は元々アクロバットをしていたけれど、事故で足が不自由になったのでした。アクロバットができなくなってしまった彼に、友達(メンバーのひとり)が提案して、この現代サーカス・グループが誕生したそうです。

このQ&Aの時に、客席の最前列に移動して、熱心に何度も質問していたフランス紳士がいらっしゃいました。舞台からグループのメンバーが「今、この人が言ったみたいにね~」なんて気軽に指差してたその紳士。その方はたしか、在香港・マカオのフランス総領事…。一般人みたいに素になって質問してらっしゃいました。お気に召されたようです。

Cirque Inextremisteの公式ページで動画を見られます。(フランス語)
http://www.inextremiste.com

練習風景の動画もあります。やっぱり、何度も失敗するんですね。でも体の使い方が上手なので、この活動で大きな怪我をしたことはないらしい。

香港公演はすでに終わってしまいましたが、
Le French Mayの詳細ページはこちら(英語)