Igudesman & Joo with Hong Kong Sinfonietta

7月4日の香港シンフォニエッタのコンサートで死ぬほど笑いました。
ゲストのソリスト(と指揮と司会)は、コメディ系クラシック音楽のコンビ、イグデスマン&ジョー。

バイオリニストであるユダヤ系のアレクセイ・イグデスマンはレニングラード生まれ。ピアニストの韓国系ジョー・ヒョンギはイギリス生まれ。ユーディ・メニューイン音楽学校で出会ったふたりは、真面目に弾いたら素晴らしいクラシック演奏家なのだけど、それを崩して笑いの変化球にして飛ばしてくる。

彼らを初めて知ったのは以前SNSで流れてきた動画でした。「Igudesman and Joo」で検索すればたくさん出てきます。彼らが香港でコンサートをすると知って大喜び。同じような人が多かったのか、チケット完売。

この投稿の最初に「死ぬほど笑いました」と書きましたが、英語版ウィキペディアによると指揮者ベルナルト・ハイティングが80歳の誕生祝賀会で彼らの演奏を聴いて、笑いすぎて死にそうになったらしい。やっぱり危険なデュオです。ハイティングは85歳の祝賀会にも呼びたいなんて言ってたそうですが、それはほんとに危険だからやめておいたほうがいいと思います。

オーケストラのメンバー全員を巻き込んで総力で攻めてくる笑いでした。香港シンフォニエッタはこういうコンサートに慣れているのでノリがいい。ジョーの作品「You Just Have to Laugh」(笑うしかないんだよ)では、舞台にいる全員が演奏しながら笑い転げていた…でも、一番みんなが笑ってた曲なのに、ジョーが演奏前にぽろっとつぶやいた言葉のせいで、逆に哀しさが伝わってくるのです。こういう捻りがいい。イギリスぽい?

それぞれが真面目に弾いたソロ演奏もよかったな。

一緒にコンサートにいったii-oto.comの執筆者hiroは、イグデスマンの演奏に思うところあり、翌日わざわざもう一度会場に出向いて、二日目の公演を終えたばかりのイグデスマン氏に質問しました。
「あなたはクレズマー音楽(ユダヤ音楽のジャンル)を伝えようとしているのですか?」
イグデスマン氏は真面目な表情で、
「そうです。」

そんな彼が、ユダヤ教聖職者ラビの帽子をかぶってワーグナー演奏してたりする。すごい…。

このコンサートの帰り道、私は今までいろいろがんばってきてよかったなーと思いました。英語がわかるようになってよかった。クラシック音楽をたくさん聴いててよかった(好きだから聴いてるんですけどね)。だけど私にもっと知識や教養があったら、このコンサートがさらに面白かっただろうな。

私はいつも「枠は超えるためにある」「規則は破るためにある」と思っている。それを改めて認識したコンサートでした。

古典を極めた人が型破りなことをすると、こんなに面白い!

Igudesman & Joo with Hong Kong Sinfonietta
2016年7月4日(月)・5日(火)
Hong Kong City Hall Concert Hall

Aleksey Igudesman, violin
Hung-ki Joo, piano

取材協力(special thanks):Hong Kong Sinfonietta